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ひとり親控除と寡婦控除の違い|対象・金額・いくら戻るかを図解

ひとり親控除(所得税35万円)と寡婦控除(27万円)の違いを表で整理。年収別にいくら節税できるか、申告し忘れた場合に5年さかのぼる方法まで解説。

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ひとり親控除と寡婦控除の違い|対象・金額・いくら戻るかを図解

2026年10月更新。令和8年分(2026年分) の税制に基づいて解説しています。今年の年末調整から適用される内容です。

「ひとり親控除」と「寡婦控除」。名前は似ていますが、対象になる人も、控除される金額も違います。どちらか一方しか使えないため、自分がどちらに当てはまるかを知っておくと、毎年の税金が数万円変わります。

この記事では、2つの控除の違いと、実際にいくら手取りが増えるのかを具体的な金額で説明します。


結論:まずはこの表で判定

ひとり親控除寡婦控除
所得税の控除額35万円27万円
住民税の控除額30万円26万円
婚姻歴問わない(未婚でもOK)必要(離婚・死別)
性別男女どちらも女性のみ
子どもの有無必須(生計を一にする子)離婚の場合は扶養親族が必要/死別の場合は不要
本人の所得制限合計所得500万円以下合計所得500万円以下

シングルマザーの多くはひとり親控除の対象です。子どもを育てていれば、離婚・死別・未婚のいずれでも使えます。

寡婦控除は「ひとり親控除に当てはまらない人」の受け皿と考えてください。たとえば子どもが独立して扶養から外れた後の離婚女性や、死別して子どもがいない女性が該当します。


ひとり親控除の3つの条件

次のすべてを満たすと対象です。

  1. 現在、婚姻していない(または配偶者の生死が明らかでない)
  2. 生計を一にする子がいる(その子の合計所得金額が62万円以下で、他の人の扶養親族になっていないこと)
  3. 本人の合計所得金額が500万円以下(給与収入だけなら年収約677万円以下)

さらに、事実婚の相手がいないことも条件です。住民票に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載されている場合は対象外になります。

よくある質問:子どもは何歳まで?

年齢の上限はありません。 「生計を一にする子」であればよく、大学生でも社会人でも、子の合計所得金額が62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)であれば対象です。

この所得の上限は毎年のように引き上げられています。令和6年分までは48万円(給与収入103万円)、令和7年分は58万円(同123万円)、**令和8年分から62万円(同136万円)**です。以前は対象外だった方が、今は対象になっている可能性があります。

扶養控除は16歳以上が対象ですが、ひとり親控除は0歳の子でも使えます。ここが混同しやすいポイントです。


寡婦控除の条件

ひとり親控除に該当しない女性で、次のどちらかに当てはまる場合です。

  • 離婚して婚姻しておらず、扶養親族がいる人(合計所得500万円以下)
  • 死別して婚姻していない、または夫の生死が明らかでない人(合計所得500万円以下)。この場合は扶養親族がいなくても対象

死別の場合だけ扶養親族が不要な点に注意してください。


いくら戻る?年収別の目安

控除は「税金が直接その額だけ安くなる」のではなく、「課税される所得がその額だけ減る」仕組みです。実際の減税額は、控除額に税率をかけた金額になります。

ひとり親控除(所得税35万円+住民税30万円)の場合

年収(給与)所得税率所得税の減少住民税の減少年間の合計
200万円5%約1.8万円3万円約4.8万円
300万円5%約1.8万円3万円約4.8万円
400万円10%3.5万円3万円約6.5万円
500万円10%3.5万円3万円約6.5万円
600万円20%7万円3万円約10万円

寡婦控除(所得税27万円+住民税26万円)の場合

年収(給与)所得税の減少住民税の減少年間の合計
200〜300万円約1.35万円2.6万円約4万円
400〜500万円2.7万円2.6万円約5.3万円

※復興特別所得税を除いた概算です。実際の金額は他の控除の状況で変わります。


手続きは年末調整だけでOK

会社員・パートの場合、年末調整の書類にチェックを入れるだけです。

年末調整の場合

勤務先からもらう「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の C欄「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」 にある該当項目にチェックし、左側の「ひとり親」または「寡婦」を選びます。添付書類は原則不要です。

確定申告の場合

自営業の方、年末調整で申告し忘れた方、医療費控除などで確定申告をする方は、確定申告書第一表の「ひとり親控除・寡婦控除」欄に金額を記入します。


申告し忘れていた場合は5年さかのぼれる

「制度を知らなかった」「申告欄にチェックを入れ忘れた」という場合、過去5年分まで還付申告ができます。

たとえば年収300万円で5年間申告し忘れていたら、約24万円が戻る計算です。

手続きは、お住まいの地域を管轄する税務署に「還付申告書」を提出します。国税庁の確定申告書等作成コーナーからオンラインでも作成できます。源泉徴収票が必要なので、勤務先から再発行してもらいましょう。


非課税になると、さらに支援が広がる

ひとり親で前年の合計所得が135万円以下(給与収入だけなら約204万円以下)だと、住民税が非課税になります。

住民税非課税になると、税金が0円になるだけでなく、次のような支援の対象にもなります。

  • 国民健康保険料の軽減
  • 高校生等奨学給付金(返済不要・年14〜15万円)
  • 0〜2歳児の保育料が無料
  • 高等職業訓練促進給付金が月10万円(課税世帯は7.05万円)
  • 各自治体の給付金・減免制度

控除の有無が、税金以外の支援にも連鎖します。「自分は非課税になるかどうか」は一度確認しておく価値があります。


まとめ

  • 子どもを育てているシングルマザーは、ほぼ「ひとり親控除」(所得税35万円・住民税30万円)
  • 年収300万円なら年間約4.8万円、400万円なら約6.5万円の節税
  • 手続きは年末調整の申告書にチェックするだけ
  • 申告し忘れても5年さかのぼって還付を受けられる
  • 所得135万円以下なら住民税非課税になり、他の支援も広がる

まずは直近の源泉徴収票を見て、ひとり親控除が反映されているか確認してみてください。反映されていなければ、還付申告で取り戻せます。

受け取れる手当や制度は補助金・手当のページでまとめて確認できます。